九州の食文化の特徴
九州は福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島の七県からなり、
それぞれに個性豊かな食文化が根づいています。
共通する特徴は「甘め」の味付けです。
醤油は甘口のものが好まれ、砂糖やみりんをたっぷり使った煮物が多いのが特徴。
温暖な気候で発達した砂糖文化と、かつての交易ルートの影響ともいわれています。
豚肉・鶏肉・魚介、そして薩摩芋——
九州の台所は、豊かな食材に恵まれてきました。
今回はそんな九州のおばあちゃんたちが受け継いできた家庭料理をご紹介します。
福岡|がめ煮
福岡を代表する郷土料理で、「筑前煮」の名で全国に知られています。
「がめ煮」という名は、博多弁で「寄せ集める」を意味する
「がめくり込む」から来ているという説があります。
鶏肉・ごぼう・れんこん・里芋・こんにゃくを炒め煮にした具だくさんの一品。
お正月やお祝いごとに欠かせない、ハレの日の味です。
福岡|かしわめし
「かしわ」とは鶏肉のこと。
鶏肉と野菜を炊き込んだかしわめしは、福岡・筑豊地方の家庭料理として親しまれてきました。
駅弁としても有名で、甘辛い鶏そぼろとご飯の組み合わせは
おばあちゃんの手作りを思い出させる懐かしい味です。
熊本|大根の卵とじ
薄切りにした大根をだしで煮て、卵でとじるシンプルな一品。
熊本のおばあちゃんが日常の食卓によく作ってくれたという、
地味ながら体に染みる料理です。
大根の甘みと卵のやさしさが、ご飯によく合います。
鹿児島|さつまいものかき揚げ
薩摩芋の産地・鹿児島ならではの一品。
ほんのり甘いさつまいもの天ぷらは、おやつにも副菜にもなる万能な料理です。
おばあちゃんは衣を薄めにつけて、カリッと揚げるのが上手でした。
宮崎|追い豆腐の冷や汁
宮崎の夏の定番、冷や汁。
焼いた魚と味噌をすり合わせた冷たい汁をご飯にかけて食べる料理で、
農作業で疲れた体に染みわたる涼やかな一品です。
「追い豆腐」とは仕上げに豆腐を加えること。
とろりとした豆腐が冷や汁をさらにまろやかにしてくれます。
大分|ゼンマイの煮つけ
大分の山里では、春になるとぜんまいを摘んで干し、
一年を通じて食べられるよう保存していました。
戻したぜんまいを油揚げと一緒にじっくり煮つけた一品は、
ご飯のお供にもお弁当にもぴったりです。
九州の食卓に共通するもの
地域ごとに食材も味つけも違う九州の料理ですが、
共通しているのは「食べる人への思いやり」です。
農作業の合間に、漁から帰った夕方に、
嫁ぎ先で覚えた味を、子や孫に伝えながら——
おばあちゃんたちはそうして九州の食文化を守ってきました。