里芋のしょうゆ煮
#04 — 兵庫県 秋
里芋のしょうゆ煮
「里芋は焦らしたらあかんねん」 — 秋の夕方に照りが光る一鍋 里芋のしょうゆ煮は、秋に新物の里芋が出回る時期の定番料理。
「今のうちに炊いとこか」と夕方のうちに仕込んで、翌日のお弁当にも入れてくれる、兵庫の家庭の味です。
「ほら、指切るで!」
「里芋は焦らしたらあかんねん、ゆっくり味を入れるんや」
材料
人分
※ おばあちゃんのレシピでは「だいたいこのくらい」で作ることも多いため、分量は目安としてご覧ください。
| 材料 | |
| 里芋 | 手のひらに乗るくらいを人数分や |
| しょうゆ | 鍋の底が色づくくらい |
| 砂糖 | 指3本でつまんだくらい |
| みりん | ちょっと照りつけるために |
| だし汁 | 里芋がちょっと顔出すくらい |
| 塩 | 最後にひとつまみで味が締まる (仕上げ用) |
作り方
- 01
里芋は皮をむき、ぬめりを取るために塩でもんでから水で洗う。
- 02
鍋に里芋とだし汁を入れ、中火で煮始める。
- 03
沸いてきたら砂糖・しょうゆ・みりんを加え、落とし蓋をして弱火にする。
- 04
15〜20分ほど、竹串がすっと通るまで煮る。
- 05
汁気が少なくなってきたら火を少し強め、鍋をゆっくり揺すりながら照りをつける。
- 06
塩をひとつまみ入れて味を締める。
- 07
火を止めてから10分ほど置くと味がしみてさらにおいしくなる。
ものがたり
夕方の薄暗い台所、
鍋の中の照りがポッと光る瞬間。
「里芋は焦らしたらあかんねん」という祖母の声が、今も耳に残る。
おばあちゃんは里芋をむくのがすごく早くて、横で見ていると「ほら、指切るで!」と笑われながら手伝っていました。煮ている間、鍋を揺すりながら「里芋は焦らしたらあかんねん、ゆっくり味を入れるんや」とよく言っていました。夕方の薄暗い台所で、鍋の中の照りがポッと光るのがきれいで、子供ながらにおいしくなる瞬間を見ている気がして好きでした。翌日のお弁当に入っていると、冷めてもほっくりしていて、家の匂いを思い出して安心したのをよく覚えています。
情報源: おばあちゃん本人から直接教わった記憶を頼りに書いている (語り部:ゆきのさん)
食文化こぼれ話
里芋は縄文時代に東南アジアから伝わったとされる日本最古級の作物のひとつで、稲作が普及する以前は主食的な役割を担っていたとも言われています。「衣被(きぬかつぎ)」や「煮っ転がし」など地域によって呼び名や調理法が異なるのも里芋料理の特徴です。