芋煮 準備中
#01 — 山形県

芋煮

山形の秋の郷土料理 — 「鍋が『もういいよ』って顔をするまで」

芋煮は山形県の秋を代表する郷土料理で、河川敷に集まって大鍋で煮る「芋煮会」は秋の風物詩として知られています。
内陸部では牛肉+醤油味、庄内地方では豚肉+味噌味と、同じ山形でも地域によって味付けが異なるとも言われています。

  • 調理時間 40分
  • 分量 4人分
  • 地域 山形県

「おばあちゃん、お醤油はどれくらい入れるの?」
「そうねぇ、お鍋が『もういいよ』って顔をするまで入れなさい」

— こあらさんの食卓から(山形県)

材料

4人分

※ おばあちゃんのレシピでは「だいたいこのくらい」で作ることも多いため、分量は目安としてご覧ください。

主材料
里芋 両手で山盛りいっぱい。多いほうが喜ばれるよ (皮をむいたもの)
牛肉(バラかこま切れ) パックの中で一番いい色してるのを、贅沢に一掴み
こんにゃく 手でちぎって、里芋の間を埋めるくらい (手でちぎる)
ねぎ 太いところをドカドカっと2本分。白いところが美味しいんだ (斜め切り)
お鍋の真ん中よりちょっと上、里芋が溺れるくらい
味付け
醤油 のの字を3回書いて、最後にちょっと『チョン』
景気良くドボドボッとおまじない
砂糖 手のひらに乗るだけガバッと。これがコクになるんだよ

作り方

  1. 01

    里芋とこんにゃくを水から入れてじっくり煮る。こんにゃくは包丁を使わずに手でちぎる。

    💡 手でちぎると表面がギザギザになって味がよく染みる

  2. 02

    浮いてきた茶色い泡だけ優しくすくってアクを取る。取りすぎないのがコツ。

  3. 03

    里芋がやわらかくなったら、醤油・酒・砂糖を加える。最初に甘みを入れると味がなじみやすい。

  4. 04

    お肉を広げるように入れる。最初から入れると硬くなるので、あとから入れるのがコツ。

  5. 05

    ねぎを入れたら蓋をしてひと呼吸。シャキシャキが残ってるくらいが一番ごちそう。

ものがたり

中学生の頃、
「お醤油はどれくらい?」と聞いたら、
「鍋が『もういいよ』って顔をするまで入れなさい」と返ってきた。

あれは中学生くらいの頃、おばあちゃんに煮物の味付けを教わっていたときのこと。「おばあちゃん、お醤油はどれくらい入れるの?」と聞いたら、「そうねぇ、お鍋が『もういいよ』って顔をするまで入れなさい」と言われて、必死にお鍋の「顔」を観察したけれど、ステンレスの光沢が見えるだけで一向に表情がわからない。言葉を信じてドボドボ入れた結果、出来上がったのはイカの塩辛よりしょっぱい何か。家族全員が悶絶している横で、おばあちゃんだけは涼しい顔で「……今日はこのお鍋、ずいぶんと欲張りさんだったみたいねぇ」。お鍋のせいにしちゃうおばあちゃん、最強だと思った。

情報源: 記憶を頼りに書いている (語り部:こあらさん)

食文化こぼれ話

山形の芋煮は江戸時代の河川交易が起源とされ、最上川の船着き場で荷受けの人々が里芋を鍋で炊いたのが始まりとも言われています。毎年9月に開催される日本一の芋煮会フェスティバルでは直径6メートルを超える大鍋が使われることでも有名です。