暮らしのレシピ帖

おばあちゃんの味噌汁|
具材の組み合わせと出汁のコツ

毎朝の一杯が、体と心を整えてくれる

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味噌汁は日本の食卓の基本です。おばあちゃんが毎朝作ってくれた味噌汁の味を覚えていますか?丁寧にとった出汁と、季節の具材でつくる一杯は、どんなご馳走にも勝る温かさがあります。

味噌汁の出汁は何を使うか

美味しい味噌汁の基本は出汁です。インスタントだしも便利ですが、昆布とかつお節でとった合わせだしの味は格別です。おばあちゃんたちは当たり前のようにこれを毎朝やっていましたが、実はそれほど難しくはありません。

合わせだしの取り方

- 昆布……10cm角1枚
- かつお節……20g
- 水……1000ml

前の晩に水に昆布を入れて冷蔵庫に一晩おくと、翌朝すぐに使える昆布だしができます(水出し法)。急ぐ場合は水と昆布を鍋に入れて弱火で30分加熱し、沸騰直前で昆布を取り出します。昆布を取り出した後、沸騰させてかつお節を加え火を止めます。1分ほどおいてからこせば合わせだしの完成です。

この出汁は冷蔵庫で2〜3日保存できます。多めに作っておくと便利です。

味噌の選び方

味噌には米味噌・麦味噌・豆味噌・合わせ味噌など種類があります。地域によって使われる味噌が異なりますが、家庭での味噌汁には米味噌の合わせ味噌が使いやすく、癖がなく飽きません。

赤味噌は旨みが深くコクがありますが、塩分が高めです。白味噌は甘くまろやかで、関西風の上品な味噌汁になります。二種類を合わせて使うと奥行きのある味になります。おばあちゃんは「味噌は一種類より二種類を合わせると美味しくなる」とよく言っていました。

味噌を溶く時のコツ

味噌は直接汁に入れず、お玉に取って少しの汁で溶いてから鍋に加えましょう。ダマにならず均一に溶けます。また、味噌を加えた後は沸騰させないことが大切です。沸騰させると味噌の香りが飛んでしまいます。

春の具材

春はわかめ・豆腐・ふきのとう・たけのこが旬の具材です。わかめと豆腐の組み合わせは定番中の定番。豆腐はあらかじめ水切りせず、そのまま角切りにして最後に加えます。火を通しすぎると豆腐が固くなるので注意しましょう。

夏の具材

夏はなす・みょうが・きゅうり・オクラが合います。なすの味噌汁は油と相性がよく、ごま油を少し垂らすと風味が増します。みょうがは火を通しすぎず、最後に加えて香りを楽しみましょう。

秋の具材

秋はさつまいも・里芋・きのこ類が旬です。さつまいもの味噌汁は甘みが出てほっくりとした食感が楽しめます。里芋はやわらかくなるまでしっかり煮ます。しめじ・えのき・まいたけなど、きのこを数種類合わせると旨みが増します。

冬の具材

冬は大根・白菜・長ねぎ・じゃがいもが合います。大根と油揚げの組み合わせは冬の定番。じゃがいもとたまねぎの味噌汁は北海道の家庭料理的な一品で、豚汁に近い温かさがあります。

出汁を大切にした和食の知恵

味噌汁の美味しさは出汁にあります。和歌山のおばあちゃんたちが受け継いできた「茶粥」も、シンプルな素材を丁寧に使う知恵から生まれた一品です。お茶と米だけで作るその味は、胃に優しく、朝の一杯にも最適です。

お茶の香りがほのかに漂う茶粥は、特に体調が優れないときや、胃を休めたいときに重宝します。

山口の大根と豆腐の煮物

山口県に伝わる「けんちょう」は、大根と豆腐を炒めてだし醤油で煮た素朴な一品です。味噌汁に近い温かみがあり、大根と豆腐のやさしい味わいが体を芯から温めてくれます。

豆腐と大根というシンプルな組み合わせから生まれる旨みは、毎日の食卓を豊かにする一品です。味噌汁の具としても応用できる組み合わせです。

おばあちゃんの味噌汁を再現するために

毎日の味噌汁を美味しくする三つのポイントをまとめます。

1. 出汁を丁寧にとる
前日の夜に昆布を水に漬けておくだけで、翌朝の出汁取りが格段に楽になります。

2. 具材を季節に合わせる
旬の食材は甘みや旨みが強く、少ない味付けで美味しくなります。

3. 最後に一手間
仕上げに青ねぎやみつばを散らすだけで、見た目も香りも格段によくなります。

毎日飲む味噌汁だからこそ、丁寧に作りたいもの。おばあちゃんが台所に立って、ことことと鍋をかき混ぜていた姿を思い浮かべながら、今日の一杯を作ってみてください。