季節の手仕事

干し大根の作り方
たくあん用の干し方と見極めポイント

干し加減ひとつで、たくあんの出来が変わる

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たくあん作りは、大根を干すところから始まる。この「干し」の工程が、たくあんの歯ごたえと旨みを決める。干し方のポイントと、干し上がりの見極め方をまとめた。

たくあんの出来は、大根の干し方で決まる。

干しが足りなければ水っぽくなり、干しすぎれば固くて漬かりにくい。おばあちゃんは毎年11月になると大根を何十本も軒下に吊るして、「もう少し」「まだ早い」と干し加減を見極めていた。

この記事では、たくあん用の干し大根の作り方を、大根の選び方から干し上がりの判断まで、初心者向けに解説する。

干し大根に向いている大根の選び方

どんな大根でも干せるが、仕上がりに差は出る。

向いている大根:
・細めでまっすぐなもの(太すぎると中まで乾きにくい)
・葉つきのもの(葉の根元で紐を縛って干す)
・漬物向きの品種(練馬大根、三浦大根など)があれば理想的

スーパーの青首大根でも十分おいしくできる。葉が切られていたら、大根の首のあたりに紐を巻いて干せば問題ない。

直売所や農家さんから買えるなら、葉つきで太さが揃ったものを選ぶとよい。

干す時期と場所

時期: 11月〜12月初旬がベスト。気温が10℃以下に下がり、空気が乾燥している頃。暖かい日が続く時期は乾きにくく、傷みのリスクもある。

場所:
・風通しのよい日陰が基本。軒下やベランダが定番。
・直射日光がガンガン当たる場所は避ける。表面だけ乾いて中が生乾きになることがある。
・雨に濡れたら拭いて干し直す。何日も濡れたままだとカビの原因になる。

マンションのベランダで干す場合:
物干し竿に紐で吊るすのが手軽だ。洗濯物と一緒に干しても問題ない。風通しさえよければ、戸建ての軒下と同じように干し上がる。雨が吹き込むベランダの場合は、雨の日だけ室内に取り込むこと。

おばあちゃんの家の軒下に大根がずらりと並ぶ風景は、冬の訪れを告げる風物詩だった。

干し方の手順

1. 大根は葉を3cmほど残して切る。土を洗い落とし、水気を拭く。皮はむかない。
2. 大根2本ずつ、葉の根元を紐(ビニール紐やたこ糸)で縛って束にする。
3. 竿やフックに掛けて、風通しのよい場所に吊るす。
4. そのまま7〜10日間干す。

大根同士がくっつかないように、少し間隔をあけて吊るすのがコツ。くっついた部分は乾きにくく、傷みやすい。

干し上がりの見極め方

干し加減の判断が、たくあんの出来を左右する。

ちょうどよい状態:
・大根を持つと「く」の字にしなる
・全体がしんなりして、弾力がある
・重さが干す前の半分〜3分の2くらいに減っている
・表面にシワが寄っているが、触ると柔らかい

干しすぎのサイン:
・カチカチに固い
・曲げようとすると折れそう
・表面がひび割れている

干しすぎた大根は水を吸いにくく、漬かりにくくなる。「ちょっと早いかな?」くらいで漬け始めるほうが安全だ。

干し足りないサイン:
・まだ固くてほとんど曲がらない
・持ったときにずっしり重い
・切ってみると中心がみずみずしい

足りなければもう2〜3日干せばよい。天候によって乾き方は変わるので、日数だけでなく実際に触って確認するのが大事だ。

よくある質問

Q. 雨の日はどうする?
室内に取り込むか、屋根のある場所に移す。1日くらいの雨なら、濡れた表面を拭いて干し直せば問題ない。何日も雨が続く場合は、風通しのよい室内で扇風機の風を当てるとよい。

Q. 大根の皮はむくべき?
むかない。皮ごと干して、皮ごと漬ける。皮が歯ごたえと風味を生む。

Q. 何本くらいから作れる?
1本からでも作れる。少量なら漬物容器(プラスチック製)で十分。まずは3〜5本で試してみるのがおすすめだ。

まとめ

干し大根の作り方は「干して待つだけ」。シンプルだけど、この工程がたくあんの味を決める。

・11〜12月に風通しのよい場所で干す
・7〜10日間で「く」の字に曲がるまで
・触って、曲げて、重さで判断する

干し上がった大根の漬け方は、昔ながらのたくあんの作り方で詳しく紹介している。