東北のおばあちゃんに教わった
郷土料理レシピ集
雪国の知恵が生んだ、体を温める料理たち
冬が長く厳しい東北地方では、保存食や体を温める料理が発達してきました。おばあちゃんたちが代々受け継いできた郷土料理には、厳しい自然の中で生き抜く知恵が詰まっています。
東北の食文化について
青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の六県からなる東北地方は、日本有数の米どころであり、豊かな山海の幸に恵まれた地域です。一方で冬の積雪は生活を制約し、人々は秋のうちに食べ物を保存し、長い冬を乗り越える知恵を育んできました。塩漬け、麹漬け、乾燥……さまざまな保存技術が発達し、それが独自の食文化を生み出しました。
東北のおばあちゃんたちは、その知恵を自然体で暮らしの中に取り込んでいました。今回はそのような東北の郷土料理をいくつかご紹介します。
いも煮(山形)
山形を代表する秋の郷土料理です。里芋・牛肉・こんにゃく・長ねぎを醤油と砂糖で甘辛く煮た料理で、秋になると河原で大鍋を使って作る「いも煮会」が県内各地で開かれます。
材料(4人分)
- 里芋……400g
- 牛こま切れ肉……200g
- こんにゃく……1枚
- 長ねぎ……2本
- だし……500ml
- 醤油……大さじ3
- みりん……大さじ2
- 砂糖……大さじ1
- 酒……大さじ2
里芋は皮をむき塩もみ、水洗いしてぬめりを落とす。こんにゃくは手でちぎって下ゆでする。鍋にだしを入れ里芋・こんにゃくを加えて中火で煮始める。沸騰したら牛肉を加えてアクを取り、調味料を入れて弱火で20分。仕上げに長ねぎを加えてひと煮立ちで完成です。
きりたんぽ鍋(秋田)
きりたんぽは、炊いたご飯を半つきにして棒に巻き、焼いたもの。鶏がらだしの鍋に入れて食べる「きりたんぽ鍋」は秋田の代表的な冬の料理です。
きりたんぽの作り方
炊きたてのご飯を半つきにして(粒が半分残る程度)、濡らした手で細長い棒状に成形し、杉の棒やアルミホイルを巻いた菜箸に巻きつけます。醤油・みりんを混ぜたものを塗りながらグリルや魚焼き網で表面を焼きます。棒から外して切り分け、鍋に入れます。
鍋の作り方(4人分)
- きりたんぽ……4〜6本
- 鶏もも肉……300g
- ごぼう……1/2本
- まいたけ……1パック
- 長ねぎ……2本
- 鶏ガラだし……800ml
- 醤油……大さじ3
- みりん……大さじ2
- 酒……大さじ2
- 塩……少々
鶏もも肉は一口大に切る。ごぼうはささがきにして水にさらす。鍋にだしを温め醤油・みりん・酒・塩で味を整え、鶏肉・ごぼう・まいたけを加えて煮る。仕上げにきりたんぽと長ねぎを加え、きりたんぽが柔らかくなったら食べ頃です。
ひっつみ(岩手)
岩手の郷土料理、ひっつみ。小麦粉を水でこねて薄くのばし、手でちぎって(「ひっつまむ」が語源)汁に入れる料理です。すいとんに似た感覚ですが、平たく薄い形が特徴です。
小麦粉150gと水70〜80mlをこねて生地を作り、30分休ませます。鶏肉・ごぼう・にんじん・ねぎのだし汁に、生地を薄く伸ばして手でちぎりながら入れ、醤油・みりんで味付けします。もちもちとした食感が体を温めてくれます。
芋がら(全東北)
芋がら(ずいき)は、里芋の茎を干して乾燥させたものです。秋に収穫した里芋の茎を束ねて軒下に吊るして乾燥させる光景は、東北の秋の風物詩のひとつでした。
乾燥芋がらを水で戻し、だし・醤油・みりんで甘辛く煮付けると独特の歯ごたえと滋味が楽しめます。保存食としても優れており、冬の食卓に欠かせない存在でした。
東北の郷土料理に共通するもの
ご紹介した料理に共通するのは、地元の食材を無駄なく使い、保存を工夫し、体を温めることを大切にしているという点です。厳しい冬を乗り越えるための料理だからこそ、滋養があって体に優しいものが多いのです。
東北のおばあちゃんたちが守ってきたこれらの料理は、単なるレシピを超えた生活の知恵の結晶です。ぜひ一度、家庭で作ってみてください。