食文化コラム

九州のおばあちゃんの味|
昔ながらの家庭料理レシピ

温暖な九州で育まれた、甘めで豊かな味

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九州の料理は甘めの味付けで知られています。醤油も砂糖も、関東に比べるとたっぷり使うのが九州流。温暖な気候と豊かな食材に恵まれた九州のおばあちゃんたちが作り続けてきた家庭料理をご紹介します。

九州の食文化の特徴

九州は福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島の七県からなり、それぞれに個性豊かな食文化があります。共通する特徴として挙げられるのが「甘め」の味付け。醤油は甘口のものが好まれ、砂糖やみりんをたっぷり使った煮物や炒め物が多いのが特徴です。これは温暖な気候で発達した砂糖文化と、かつての交易ルートの影響ともいわれています。

また、九州は豚肉文化の強い地域でもあります。豚骨ラーメンが有名ですが、豚肉を使った家庭料理も多く受け継がれています。

がめ煮(福岡)

福岡を代表する郷土料理で、「筑前煮」の名で全国に知られています。「がめ煮」という名の由来は、博多弁で「寄せ集める」を意味する「がめくり込む」から来ているという説があります。

材料(4人分)

- 鶏もも肉……300g
- ごぼう……1本
- にんじん……1本
- れんこん……200g
- 里芋……300g
- こんにゃく……1枚
- 干し椎茸……4枚
- ごま油……大さじ1
- だし(椎茸の戻し汁も使用)……400ml
- 醤油……大さじ3
- みりん……大さじ3
- 砂糖……大さじ2
- 酒……大さじ2

干し椎茸は水で戻しておく。鶏もも肉は一口大に切る。根菜類はひと口大の乱切りにする。こんにゃくは手でちぎって下ゆでする。鍋にごま油を熱し鶏肉を炒め、根菜類・こんにゃく・椎茸を加えてさらに炒める。だし(椎茸の戻し汁を含む)と調味料を加え、蓋をして弱火で20〜25分煮る。

具雑煮(長崎)

長崎・島原の郷土料理です。江戸時代の島原の乱で、天草四郎率いる一揆の人々がお雑煮に残り物を何でも入れて食べたことが起源とも伝えられます。丸餅・鶏肉・牡蠣・えび・里芋・春菊など、具だくさんなのが特徴です。

鶏がらでとった澄んだだしに醤油と薄口醤油で味を整え、丸餅と具材を入れて煮ます。牡蠣は最後に加え、火を通しすぎないのがコツです。お正月だけでなく、島原では普段から食べられる家庭料理です。

さつま汁(鹿児島)

鹿児島の郷土料理、さつま汁。地鶏(さつま鶏)をさばいて骨ごと入れ、みそ仕立てにした汁物です。鶏骨から出る豊かなだしと、根菜の旨みが合わさった滋味深い一品です。

現在は地鶏の代わりに普通の鶏肉でも作れます。鶏肉(骨付きがおすすめ)・ごぼう・にんじん・里芋・こんにゃくを入れ、白味噌と合わせ味噌でまとめます。

熊本のだご汁

熊本の家庭料理、だご汁。「だご」は団子のことで、小麦粉をこねて薄くのばし、鍋に入れた料理です。岩手のひっつみと似ていますが、熊本では根菜と一緒に味噌仕立てで作るのが一般的です。

農作業の多い地域で育まれた料理で、栄養があって腹持ちがよく、手軽に作れることが愛されてきた理由です。

九州の家庭料理に共通する魅力

九州の郷土料理は、甘めでコクのある味付けと、地元食材をたっぷり使うことに特徴があります。豚肉・鶏肉・根菜・芋類……九州の豊かな農産物が生み出す家庭料理は、素材の旨みを大切にしたものばかりです。

おばあちゃんたちが「うちの味」として作り続けてきたこれらの料理は、レシピ以上の何かを伝えてくれます。ぜひ一度、九州の味を食卓に取り入れてみてください。