おばあちゃんの梅干しレシピ|
昔ながらの塩漬け方法
梅仕事は初夏の風物詩。丁寧に作れば一生の宝に
梅干し作りはおばあちゃんの時代の「梅仕事」を代表する季節の手仕事です。梅の塩漬けから土用干しまで、一通りの流れを丁寧に解説します。手間をかけた分だけ、格別の味になります。
梅干し作りの季節
梅干し作りは「梅仕事」とも呼ばれ、初夏の風物詩です。梅の実が店頭に並ぶ6月が仕込みの時期、土用の丑のころ(7月下旬〜8月上旬)が干す時期というのが昔からの目安です。
おばあちゃんは毎年この時期になると、大きな瓶と重しを押し入れから出してきて、台所が梅の香りで満ちていました。梅干しは作るのに3〜4か月かかりますが、作ったものは数年単位で保存できます。手間をかけた分だけ、長く楽しめる保存食です。
材料
梅干し(作りやすい量:1kg分)
- 完熟梅……1kg
- 粗塩……180〜200g(梅の18〜20%)
- 焼酎(35度)……50ml(消毒用)
- 赤しそ……200g(梅1kgに対して)
- 赤しそ用粗塩……40g
塩分は梅の重量の18〜20%が基本です。20%以上あればカビが生えにくく長期保存に向きます。初心者は20%から始めると安心です。
梅の選び方と下処理
梅の選び方
梅干しには完熟梅を使います。まだ青みがある場合は、新聞紙の上に広げて黄色く熟すまで数日追熟させます。完熟梅は傷が入っていないものを選び、傷のある梅は最初から除きます。
下処理
梅をたっぷりの水に2〜4時間浸けてアクを抜く。やさしく水洗いし、キッチンペーパーで一粒ずつ丁寧に水気を拭き取る。竹串や爪楊枝でなり口(ヘタの部分)を取り除く。
塩漬け
1. 瓶を消毒する
保存瓶に焼酎を注いでよく振り、全体を消毒する。
2. 塩と梅を交互に重ねる
瓶の底に塩を薄くひき、梅を一層並べ、塩をふる。これを繰り返して最後は塩で蓋をする。
3. 重しをのせる
落とし蓋と重し(梅の重量と同じかやや重い)をのせる。2〜3日で梅酢(梅から出た水分と塩が合わさった液体)が上がってきます。
4. 梅酢が上がったら重しを減らす
梅全体が梅酢に浸かったら重しを軽くする。ここから赤しそが手に入るまで、冷暗所で保管する(2〜3週間)。
赤しその塩漬け
赤しそが出回る6月下旬〜7月初めに加えます。
赤しその葉200gを塩20gでよくもみ、アク(黒い汁)を捨てる。さらに残りの塩20gでもみ、アクを絞り出す。梅酢を少し加えて全体を赤く染める。これを梅の上にのせ、全体が赤くなるまで浸ける。
土用干し
土用の丑のころ(7月下旬〜8月上旬)の晴れた日を選んで干します。晴れが3日続く日を狙うのが理想です。
梅をざるに並べ、日当たりのよい場所で3日間干す。1日1回裏返す。夜は夜露に当てる(屋外に出したままにする)か、室内に取り込む方法があります。おばあちゃんは「夜露に当てるとしっとり仕上がる」とよく言っていました。
3日間干したら完成です。干した直後は皮が固めですが、時間が経つと梅酢を吸ってしっとりやわらかくなります。
保存方法
梅干しは清潔な保存容器に入れ、冷暗所か冷蔵庫で保存します。塩分20%以上であれば常温で数年保存できます。梅酢も料理や健康飲料として使えるので、瓶に入れて冷蔵庫で保管しましょう。
梅仕事と合わせたい季節の手仕事
梅干し作りと同じ時期に取り組みたい保存食として、生姜の佃煮があります。長野に伝わる新生姜の佃煮は、梅干しと並べると初夏の食卓が一気に豊かになります。
梅干しと生姜の佃煮は、どちらもご飯のお供として定番。ご一緒に仕込んでみてください。
春の保存食
春の季節の手仕事として、兵庫のいかなごのくぎ煮も梅仕事と並んで人気があります。いかなごが出回る春先に甘辛く煮詰めて瓶詰めにすれば、長く楽しめる保存食になります。
季節の手仕事を一つひとつ丁寧に行うことが、おばあちゃんたちの暮らしの豊かさにつながっていました。
まとめ
梅干し作りは3〜4か月かかる長い仕事ですが、土用干しを終えて瓶に収めたときの達成感は格別です。おばあちゃんが毎年作り続けてきた梅干しには、日本人の食の知恵と季節への感謝が込められています。ぜひ今年の梅の季節に挑戦してみてください。